膵臓に腫瘍が見つかった話

膵臓の腫瘍の検査・入院・手術などの記録です

【day106】外科の先生から電話②-「クソ野郎と呼んでくれ」とお願いされる

人間ドックから数えて106日目。

 

外科の先生からの2回目の電話

手術の日から15日目、

外科の先生から電話が掛かってきました。

 

約束通り、前回の電話から調度1週間です。

 

妻の近況については、

本人とLINE(メッセージ)で近況を聞いていたので、

大凡は把握していました。

 

なかなか胃腸が動き出さず、

ただただ歩いて体に刺激を与えて、

動き出すのを待つ日が続いています。

 

クソ野郎と一緒に言ってくれ

食事を開始しても、

上手く胃腸が動かず、上手く行かなかったため、

再び、腸に直接食事を流し込む措置に変えたとのことです。

 

前回の電話では、歩く量が少ないと言われていたので、

 

「しっかり歩くように私からきつく言いましょうか?」

 

と言ったところ、

 

「いやいや。その辺は、病院側は厳しく接しているので、

逆に励ましてあげてください。

(先生の名前)のクソ野郎、と一緒に悪口を言ってあげてください。」

 

と、意外な答えが返ってきました。

 

執刀してくれた先生に「クソ野郎」などと、

とんでもない話なので、

「いやいやそんなこと言えませんよ。」と伝えました。

 

とにかく励ましてあげて欲しいとのことなので、

そうすることとしました。

 

後日、妻から聞いたのですが、

食事を流し込むための管を通す際に、

先生のやり方があまり良くなく、

なかなか辛い目にあったとのことです。

 

先生としても、その負い目があって、

「クソ野郎」と自虐的なことを言ったのかなと思いました。

【day103】胆管炎で40℃の高熱が出る

人間ドックから数えて103日目。

(入院して14日、手術から13日)

 

胆管炎で40℃の高熱が出る

翌日に妻からLINEで聞いたのですが、

40℃の高熱が出て大変だったそうです。

 

とても体が熱くて汗をびっしょりかいたかと思うと、

激しい悪寒に襲われ、

ジェットコースターのような変わりようで、

死ぬかと思ったそうです。

 

発熱すると、コロナ検査で陰性が確認されるまで、

先生は病室に来なかったそうです。

 

リスク管理として、正しいやり方なのでしょう。

 

膵頭十二指腸切除をすると、胆管炎が発生しやすい

胆管炎は、膵頭十二指腸切除術を行うと、

発生しやすくなるそうです。

 

全くならない人もいれば、なる人もいて、

その差はよくわからないようです。

 

原因としては、十二指腸がないため、

小腸と胆管が近づいてしまったことで、

細菌感染が起きやすくなるそうです。

 

薬が処方され、翌日には37℃台に落ち着き、

その後は、熱も下がりました。

 

胆管炎の後日談

なお、この記事は、退院後に記録を残す意味で書いていますので、

妻の胆管炎について後日談を書いておきます。

 

胆管炎が起きる体になってしまったことに、

妻は不安と残念な気持ちを抱いていました。

 

実際、退院後の1ヶ月ぐらいで、

私の記憶では2回、発熱がありました。

 

一度は38℃近くかなりの高熱、

もう一度は軽いものでした。

 

ただ、その後(退院から4ヶ月経過)は、

一度も発熱していません。

 

妻の場合は、術後に起きやすかったのかなと解釈しています。

 

【day99】外科の先生から電話①-イレウスで食事が取れず

人間ドックから数えて99日目。

 

外科の先生から電話

手術の日から8日目、執刀してくれた外科の先生から、

突然、携帯に電話がありました。

 

コロナ禍でお見舞いに行けず、

先生や病院スタッフの方ともお話ができていないため、

術後の現在の状況を伝えるべく、

連絡をくれたとのことです。

 

今後も、入院中は週に1回、

連絡をくれるとのことです。

 

手術したところは順調だが、お腹は動いていない

術後の妻の状況としては、

データ的に特に問題はないとのことです。

 

ただ、一度、止まった胃や腸が動いておらず、

口から食事をとるに至っていないとのことでした。

 

早い人では1週間ちょっとで退院できる人もいるそうですが、

妻の場合は、食事が取れないので、まだ退院は無理とのことで、

あと1週間ぐらいは掛かると見てくださいと言われました。

 

胃や腸は動くのか?

胃や腸が動かないというのは、開腹手術をすると起こるそうで、

この症状は、イレウスというそうです。

 

妻の場合、イレウスが起きている要因として、

幾つかの理由が先生から挙げられました。

 

  • 術後に歩く量が少なめ。
  • 胃の出口が変わったため、術後の新たな体がそこに食べ物を送れていない。(胃の背中側に貯まってしまっている)

 

このまま動かなくなってしまうのか?

という不安が過りましたが、「ずっと動かない人はいない」とのことで、

一先ずは安心しました。

 

また、術後に起きたことは、全て合併症とカウントされるため、

医師としては不利だとも言っていました。

 

食事を取れないことには、日常生活に復帰できませんので、

妻の胃腸が動き出すのを待つ日が続きます。

【day98】娘もやはりコロナに感染しました

人間ドックから数えて98日目。

 

娘がPCR検査で陽性に

2日前に、長男に続いて娘にコロナの症状が出たため、

連休が明け、朝一で車で近くの内科に向かい、

娘の状況を説明しました。

 

すると、「基本は電話で予約してから診察です」と、

怒り気味に言われましたが、

それでも朝一で混雑していなかったためか、

診てもらえました。

 

こちらはWEBを確認してから来院しているので、

重要な手順や約束事は、WEBに掲載しておいて欲しいなと思いました。

 

検査結果は、陽性

検査結果は、長男の時と同じく、その日の内でしたが、

長男の時よりも遅くに連絡が来ました。

 

世の中全体がひっ迫している様子が、

そこからも分かりました。

 

結果は、案の定、陽性です。

 

我が家に感染した子供が2人、感染していない大人が1人(私)。

 

私が感染して入院にでもなったら、

我が家はどうやって回っていくのか。

 

既に感染しているかもしれないという不安に襲われつつ、

消毒、手洗い・うがい、換気、マスク・手袋着用など、

感染対策に努めました。

【day96】今度は娘が発熱と喉の痛みを発症し、長男に次いでコロナの疑いが高まる

人間ドックから数えて96日目。

 

娘が発熱と喉の痛みを訴える

妻の術後の経過を案ずると同時に、

長男の宅内コロナ隔離生活が始まってから3日後、

遂に、恐れていた事態が起きました。

 

娘が喉の痛みを訴えてきたました。

長男のコロナの症状と同じです。

 

恐らく感染しているのだろうと思い、

熱を測ってみると、37.5°。

 

ワクチンが娘の方が1回多いためか、

症状は長男に比べて熱も喉も軽度です。

 

この日は休日で、病院に行けず、

更に状況が悪いことに、ここ数日で感染者が爆発的に増えていて、

待ちの病院がひっ迫しているとのこと。

休み明けの朝一にかけるしかありません。

 

妻にも家族のコロナを伝える

長男がコロナに感染したことは、

妻にも、私や妻の両親にも伝えていませんでした。

 

誰かに話しても、感染病なので手助けしてもらうこともできないし、

余計に不安にさせてしまうだけだと思ったからです。

 

ただ、伏せ続けていると、子供の生活のことなど、

話の辻褄合わせが難しくなってきたので、

妻には申し訳ないと思いつつ伝えました。

 

案の定、ラインの返信はパニック気味に感じられたので、

伝えたことを後悔しましたが、

1日経つと落ち着いていたので、

話したことで、私自身も少し楽になりました。

 

隠し事をしているのも、なかなか大変ですから。

【day93】ICUを出るも、家族が新型コロナに感染しました

人間ドックから数えて93日目。

 

手術の翌々日にHCUから出る

事前説明では、手術が終わってから2~3日は、

ICUに入ると聞いていました。

 

実際には、HCUというところで、

ICUよりも軽い状態の患者向けのところでした。

 

HCUにはスマホを持ち込めないため、

本人とは連絡が取れず、さらに、病院にも行けないため、

状況が全く分かりません。

 

義母とは、毎日、電話で連絡を取っていまして、

落ち着かない様子は伝わってきました。

 

私としては、本人や病院の連絡を待つスタンスでしたが、

手術から2日経過し、私も心配になったので、病院に連絡してみました。

 

すると、

「まだご本人から連絡無いのですか?

ご家族に連絡するように伝えておきますね。」

とのこと。

 

既に、手術から2日目の朝、自分の部屋に戻ってきているとのことで、

看護師さんは、スマホで家族に連絡しているだろうと思っていたようです。

 

術後の容体については、看護師さんから順調だと聞き、

実質、HCUにいた時間は1.5日ですから、

その点からも順調なのだろうと推測しました。

 

病院との電話を切ってからほどなくして、

妻からLINEが来ました。

 

後から聞いたのですが、

船酔いのような感覚が続いていて気分が悪く、

LINEできる状態じゃなかったとのことです。

 

その裏で、息子がコロナに感染!

妻のHCUでの様子が気になる一方で、

自宅の方では事件が発生しました。

 

前日からゴホゴホ言っていた息子(兄)が、

夜中の3時ぐらいにとても体がだるいと起きてきました。

 

熱も39°近くあったため、

コロナの可能性を疑い、

翌朝、近くの内科でPCR検査を受けました。

 

夕方に出た結果は、陽性。

 

仕事、掃除、洗濯、炊事、食品・日用品の買い出し。

それに加えてこの時は夏休みで、子供の食事は日に3度。

我が家は何故か5時起きという謎な早さ。

 

そこに、我が家で初のコロナ患者ということで、

どのように扱えば良いか、ゼロからの取り組みです。

 

全てをほぼ私一人で回しているところで、

もし私が感染して入院と言うことにでもなったら、

我が家はどうなるのか?

 

私や娘(妹)への感染を防がないといけないし、

既に感染しているかもしれない。

 

色々なことが同時に頭の中を過ってきて、

正直、「終わった(=無理だ)。」と思い、

緊張の糸が切れました。

 

困った時の対処法

職業柄、業務効率化・改善、トラブル時の対処方法、

メンタルレベルを維持する方法など、

その手の手法を数多く備えていますし、

常に自分自身をコンサルティングすることに長けています。

 

こういう時は、無心・無感情で、

目の前の必要なことだけを単調にこなして、

とりあえず1日過ごしてみるのがオススメです。

 

すると、

「あっ意外といけそう。」

「それほど酷い状況じゃないかも。」

と思えることが殆どです。

 

今回も、妻がHCUから出たのは束の間、

ただただ無心で必要なことだけをこなして過ごしてみました。

 

すると、「これなら何とかなりそうだ。」と思えました。

 

妻には、息子がコロナになったことは、

伝えてもプラスになることは何もないので、

一先ずは、伝えないでおこうという判断にしました。

【day91-2】手術当日 - 義理の母たちに電話

人間ドックから数えて91日目。

 

手術から10時間経過

19時になっても、まだ病院から電話がありませんでした。

 

夕食を用意できる状況ではなかったので、

娘にはカップラーメンを食べてもらいました。

 

その時、家ではなく携帯に電話が掛かってきました。

 

番号から病院と分かりました。

担当の先生からの電話です。

 

  • 手術は無事終わった。
  • 前側(膵頭十二指腸)を切った。
  • 腫瘍は完全に取り除いた。
  • 術後の検査も問題無し。

 

手術は17時頃に終わったが、

術後の検査を終えて、今、電話しましたとのこと。

 

私の方は、何を伝えたか覚えていませんが、

「良かったです」「有難うございます」といったことを、

少しだけ嗚咽交じりになって話していたました。

 

真横にいた娘には、安堵した様子、そして、

手術が無事に終わった様子が伝わったのでしょう。

電話してる最中から隣でカップラーメンを号泣しながら啜っていました。

 

心配しているのは私や娘だけではありません。

この後、直ぐに親たちへ連絡です。

 

義理の母たちに連絡

連絡は順番と言うものがあります。

 

実の母が一番だろうと思いましたので、

義理の母に直ぐに電話しました。

 

手術内容は詳しく伝えても理解するのが大変なので、

無事終わったということを伝えました。

 

実の娘ですから、酷く心配していた様子がわかりました。

 

ただただお礼を言われましたが、

こちらこそ心配をお掛けして申し訳ないと、

お詫びを伝えました。

 

少し前に電話でパニックをつされたのはご愛敬ですね。

 

その後、私の方の母にも電話で伝えました。

 

そして、手術当日、厳しい気候の中にも拘わらず、

一番上の義理の姉が、癌封じの神社にお参りに足を運んでくれていました。

 

直接、私から伝えた方が良いだろうと思い、

電話しました。

 

私から掛けたことなどないので、

何か特別な話があるのか、逆に驚かせてしまったようで、

少し申し訳ない気分にもなりました。

 

これで、私から直接伝えるべき人には、

連絡が済んだかなと思いましたが、

義理の父にも、直接、私が説明した方が良いかと思い、

電話しました。

 

が、もう寝ているとのことで、

次の日に掛けなおして、義理の母に伝えた内容を、

私の口から説明しました。

 

伝言では正しく伝わらないかもしれませんし、

直接、お電話差し上げる方が、気持ちの受け渡しになります。

 

手術を終え、腫瘍の取り除きが無事に終わりました。

 

ただ、容体が急変ということもありえますし、

病理検査で癌が確認できたら、今度は抗がん剤治療です。

 

これからまだ続くな。

と気を引き締めた覚えがあります。